「からだ」「環境」にあった車椅子の寸法とは……?
2015年02月12日18時53分
車椅子を選ぶときに注意したいこと
脳卒中や事故の後遺症で身体に麻痺やなんらかの障害が残り介護が必要になった場合、移動手段として主に車椅子を利用することになります。自分の身体や生活環境に合った車椅子選びは、まず寸法を合わせることから始まります。
手が動く方は自走タイプを選択出来ますが、車椅子の幅が大きくなってしまうので、住居などのドアを通れるかどうか、浴室やトイレにスムーズに入れることが出来るかどうかを確認する必要があります。
車椅子の採寸の方法が知りたい!
車椅子を購入する前に以下をチェックしておきましょう。車椅子の寸法は乗りやすさに大きく関わってくるので、丁寧に採寸してあげましょう。
シート幅
寸法の目安
シート幅=おしりの幅+ゆとり(4~5cm)
※おしりの横に手の平をいれてもゆとりがあるとベストです。 (4~5cmほど)
背もたれの高さ
寸法の目安
背もたれの高さ=脇の高さ-7~10cm
※車椅子のシートの端が肩甲骨に当たると痛いのでそこに気をつけます。
手押しハンドルの高さ
寸法の目安
手押しハンドルの高さ=介助者のへその高さ
※介助者の肘が軽く曲がり、力が入る位置が便利です。
シートの奥行き
寸法の目安
シートの奥行き=おしりの後ろ~膝裏-5~7cm
※シートの奥行きが短い場合、ずっこけ座りの原因となり転倒の恐れや呼吸への影響もでてきます。
おしりに大きな圧力がかかってしまうため。結構障害や、皮膚の損傷の元にもなります。
肘掛けの高さ
寸法の目安
肘掛けのたかさ=肘を直角に曲げた高さ+0~2cm
※肘掛けが高いと、肩が押し上げられて疲れてしまいます。
低すぎても肩がさがり前傾姿勢をとってしまうために疲れやすくなってしまいます。
クッションを敷く場合はその厚みも考慮してくださいね。
前座高
寸法の目安(足こぎする場合)
前座高=足裏から膝裏の長さ+5cm
寸法の目安(足こぎしない場合)
前座高=足裏から膝裏の長さ+1~2cm
※膝関節の可動域に制限のある方は、高めの物を選ぶと座りやすいです。
クッションを敷く場合はその厚みも考慮してくださいね。
後座高
寸法の目安(姿勢が安定している場合)
後座高=前座高-2~3cm
寸法の目安(姿勢が安定していない場合)
後座高=前座高-3~5cm
フットサポートの長さ
寸法の目安
フットサポートの長さ=膝裏から足裏までの長さ
※太ももが軽くシートに触れている位置がベストです。
前輪径
大径
段差が乗り越えやすく、畳などの柔らかい路面でも走行しやすいですが、小回りがききにくくなります。
小径
小回りがしやすく、硬い路面での走行がスムーズになりますが、柔らかい路面や段差に弱いです。
※大径と小径がありますので、メリットとデメリットを考慮したうえで決めましょう。
後輪径
大径
段差が乗り越えやすく、畳などの柔らかい路面でも走行しやすいですが、小回りがききにくくなるうえに車椅子の全長が長くなるので場所をとります。
小径
小回りがしやすく、硬い路面での走行がスムーズになりますが、柔らかい路面や段差に弱いです。
乗り心地の他にも注意したいこと
忘れがちになりますが、買い物などの外出時、車に収納できるかどうかもチェックしましょう。今はパンクしないタイヤやクッション性の高いタイヤなど種類も豊富にあるので、家の中だけではなく外出先など自分の行動範囲を考慮しながら選ぶとよいでしょう。
手で車輪を操作することが出来なくても、電動車椅子を利用すれば自由に動くことが可能です。
介助式車椅子など、障害に合わせたものも幅広くあるので自分に合ったものを選択することが快適な生活を送る第一歩となるでしょう。